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大島渚『日本の夜と霧』 2006.6.19

これ、最初に観た時、夕食時~後だったのですが、御飯食べて風邪薬飲んだ事による猛烈な眠気に襲われ、後半ほとんど、うとうと寝てしまったのです。
隣で観ていた母が、珍しく真剣に見入っていまして、「なかなか深くえぐっているわよ」と言っていたのが気になり、再び最初から観てみました。

まあ、私のように当時を知らないと、いまいちわからんものがありますが、当時を知っている母はひじょーにおもしろかったみたいです。

よくわからないながらも、1人1人それぞれの安保闘争であり、スパイだと疑われた少年と北見の失踪。その裏で起こっていた事実が結婚式に乱入した津川雅彦演じる学生の追求により、だんだんと明かされる所が実に鮮やかで、おもしろいです。セリフのトチリがすんごい多かったりもするんですが。(笑) 

安保闘争とゆーものは、あの戦争時の日本やドイツにすごく似た、集団心理を感じてしまう所があります。それに流されてしまった人達は多く、自分があの中にいても、同じく流されていた可能性もあると思うのです。最初の目的を見失い、いろんな事に麻痺する危険さも大。
そして終わってからの虚無感たるや相当なものではないかと想像します。意味のない事をやっていたと思いたくはないから、意味のないものに意味を見い出そうとしてみたり。
この映画で散々聞かされた彼等の歌声が虚しく響きます。

もはや、お前の言う事なんて誰も聞いてねーよって中で、延々と演説する中山が滑稽なラストが最高でした。

この作品、封切わずか4日で上映中止になった問題作で、浅沼社会党委員長刺殺事件、安保闘争直後の世相などにより、再上映にも3年の歳月を要したそうです。



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Author:吉乃黄櫻
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。アジアン雑貨・ファッションやパワーストーンも好き。西武ライオンズファン。
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