モメたシャシン・これが問題作だ!日本映画監督協会創立70周年記念オールナイト 2006.3.26
新文芸坐のオールナイト、行ってきました。
殺しの烙印(1967/日活)監督:鈴木清順 出演:宍戸錠 22:40~
愛のコリーダ(1976/大島渚プロ)監督:大島渚 0:20~
天使の恍惚(1972/若松プロ)監督:若松孝二 脚本・出演:足立正生 2:20~
シャブ極道(1996/大映)監督:細野辰興 出演:役所広司 4:00~6:45
トークショー ゲスト:鈴木清順監督、若松孝二監督、足立正生監督、細野辰興監督
ホスト:林海象監督
トークショーは夜10時から。モメた監督達による、貴重なトークショーでした。おもしろかった ! ホストがまた良かったです。
モメた監督は強い、いい映画を長く撮っている、との発言には、にゃるほど !
巨匠鈴木清順監督の来訪はスゴイし、問題作ばかり撮ってきたと言う若松孝二監督と、パレスチナに行ったり牢獄に入っていたと言う足立監督とのやりとりが、実に興味深かったです。足立監督は、晴れて執行猶予期間も終わったとか。
んで、やはり押して、終了時刻は7:05でした。う~しんどかった…。
『殺しの烙印』がいちばん良かったです。
鈴木清順は、実はツィゴイネルワイゼンを大昔に観た程度だったんですが…この監督は、ズバ抜けた芸術性を持っていますね。
カラーの赤等が印象的なイメージでしたが、白黒映像でも、1カット1カットの斬新な芸術性が素晴らしいです。
撃たれた人の足が何かにひっかかってぶら下がったり、細かい所で、このセンスを見せられ、ハッとさせられます。
トイレに髪の毛がぐるぐるする所なんて、スゴイよ~。
序盤だけちと退屈でしたが、あとは話もすごくおもしろく、飽きずに観られました。
緊張感の中にユーモアもちらほらあったりして。
おしっこする時の恍惚とした表情を見て、この頃の監督ってバタイユの影響強いんだろなーと思ったり。
この名前を出すと、またかいっ ! と思われるかもしれませんが(^^;)、ゴダールに似ていると思いました。それも意識している、真似している、というレベルでなく、根本的に似たものを持っていると思いました。
『愛のコリーダ』は、全く退屈でおもしろくなかったです。
ひたすらやるばかりの映画。誰が見てようが所かまわず。
そして、その中に知的なおもしろい会話も何1つなく、ヴァカか?っつーくだらない事ばかりしゃべってるし、Hシーンにしても、同じようなのばかり。Hシーンはしばらくいいよっつーぐらいうんざりしました。
松田英子のマターリしたバカっぽいしゃべりが嫌い。
藤竜也も特に好きな訳でもないしなー。
センスはそこそこイイけど、鈴木清順のようなズバ抜けた芸術性があるとも思えず。
究極の愛とか言って、フランス等では高い評価を受けているらしいですが、相手への愛っつーより、相手の性器への愛ですね、コレは。
コントロール出来ない、どうしようもない欲情の行き着く先、そのラストはなかなか良いとは思いましたが、そこに行くまでが退屈極まりなかったです。もうちょい何か欲しいと言うか、何と言うか。
バタイユ等のフランスエロティシズム美学を表現する能力がこの監督にあるとは、私は思えんかったです。
ちなみに、生田耕作氏が『黒い文学館』で、『愛のコリーダ』本の事ですが、大島渚を批判されています。こちらに少し引用していますので、興味があれば御覧ください。
その他の大島渚映画に関しての感想はこちらから是非。
*サブカル雑食手帳さんの記事を是非ご覧くださいませ。
三一書房(元)社長の名言
『天使の恍惚』は、革命軍とかゲリラとか、良くわからないので、すみましぇんがパス。
極めて時代的な政治映画と言えるでしょうか。政治映画と言っても、かなり変わっているので、そう括れないとは思いますが。
あの時代を通ってきて「10月」「秋」「2月」「冬」「金曜」等の意味がわかれば、かなりおもしろいのかもしれない。
『シャブ極道』はおもしろかったです。
これ、タイトルだけでモメたらしいのですが、細野辰興監督の話によれば、映画を観ていないであれこれ言ってくるので、説明してもわかる訳もなく、困ったみたいです。
映画を観ると、覚醒剤を推奨している訳でもないし、逆にその恐さが、普段言われているのと別の視点から表れている映画だと思うんですけどね。
クリックよろぴくー。


殺しの烙印(1967/日活)監督:鈴木清順 出演:宍戸錠 22:40~
愛のコリーダ(1976/大島渚プロ)監督:大島渚 0:20~
天使の恍惚(1972/若松プロ)監督:若松孝二 脚本・出演:足立正生 2:20~
シャブ極道(1996/大映)監督:細野辰興 出演:役所広司 4:00~6:45
トークショー ゲスト:鈴木清順監督、若松孝二監督、足立正生監督、細野辰興監督
ホスト:林海象監督
トークショーは夜10時から。モメた監督達による、貴重なトークショーでした。おもしろかった ! ホストがまた良かったです。
モメた監督は強い、いい映画を長く撮っている、との発言には、にゃるほど !
巨匠鈴木清順監督の来訪はスゴイし、問題作ばかり撮ってきたと言う若松孝二監督と、パレスチナに行ったり牢獄に入っていたと言う足立監督とのやりとりが、実に興味深かったです。足立監督は、晴れて執行猶予期間も終わったとか。
んで、やはり押して、終了時刻は7:05でした。う~しんどかった…。
『殺しの烙印』がいちばん良かったです。
鈴木清順は、実はツィゴイネルワイゼンを大昔に観た程度だったんですが…この監督は、ズバ抜けた芸術性を持っていますね。
カラーの赤等が印象的なイメージでしたが、白黒映像でも、1カット1カットの斬新な芸術性が素晴らしいです。
撃たれた人の足が何かにひっかかってぶら下がったり、細かい所で、このセンスを見せられ、ハッとさせられます。
トイレに髪の毛がぐるぐるする所なんて、スゴイよ~。
序盤だけちと退屈でしたが、あとは話もすごくおもしろく、飽きずに観られました。
緊張感の中にユーモアもちらほらあったりして。
おしっこする時の恍惚とした表情を見て、この頃の監督ってバタイユの影響強いんだろなーと思ったり。
この名前を出すと、またかいっ ! と思われるかもしれませんが(^^;)、ゴダールに似ていると思いました。それも意識している、真似している、というレベルでなく、根本的に似たものを持っていると思いました。
『愛のコリーダ』は、全く退屈でおもしろくなかったです。
ひたすらやるばかりの映画。誰が見てようが所かまわず。
そして、その中に知的なおもしろい会話も何1つなく、ヴァカか?っつーくだらない事ばかりしゃべってるし、Hシーンにしても、同じようなのばかり。Hシーンはしばらくいいよっつーぐらいうんざりしました。
松田英子のマターリしたバカっぽいしゃべりが嫌い。
藤竜也も特に好きな訳でもないしなー。
センスはそこそこイイけど、鈴木清順のようなズバ抜けた芸術性があるとも思えず。
究極の愛とか言って、フランス等では高い評価を受けているらしいですが、相手への愛っつーより、相手の性器への愛ですね、コレは。
コントロール出来ない、どうしようもない欲情の行き着く先、そのラストはなかなか良いとは思いましたが、そこに行くまでが退屈極まりなかったです。もうちょい何か欲しいと言うか、何と言うか。
バタイユ等のフランスエロティシズム美学を表現する能力がこの監督にあるとは、私は思えんかったです。
ちなみに、生田耕作氏が『黒い文学館』で、『愛のコリーダ』本の事ですが、大島渚を批判されています。こちらに少し引用していますので、興味があれば御覧ください。
その他の大島渚映画に関しての感想はこちらから是非。
*サブカル雑食手帳さんの記事を是非ご覧くださいませ。
三一書房(元)社長の名言
『天使の恍惚』は、革命軍とかゲリラとか、良くわからないので、すみましぇんがパス。
極めて時代的な政治映画と言えるでしょうか。政治映画と言っても、かなり変わっているので、そう括れないとは思いますが。
あの時代を通ってきて「10月」「秋」「2月」「冬」「金曜」等の意味がわかれば、かなりおもしろいのかもしれない。
『シャブ極道』はおもしろかったです。
これ、タイトルだけでモメたらしいのですが、細野辰興監督の話によれば、映画を観ていないであれこれ言ってくるので、説明してもわかる訳もなく、困ったみたいです。
映画を観ると、覚醒剤を推奨している訳でもないし、逆にその恐さが、普段言われているのと別の視点から表れている映画だと思うんですけどね。
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