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黒木和雄『浪人街』 2006.9.7

いやあ、これ大好きですっっ ! 『竜馬暗殺』かコレかって感じですねー。
まず、原田芳雄、大槻ケンヂみたいな風貌です。髪型とか。(最近この人見ない気が)
へなちょこなんだか、逞しいんだか、わかんないびみょ~な所が良い ! そしてやる時はやるっつー。
んで、この時51歳だそうですが、(ココ御参照に) 顔はまあわかる。しかし肉体がぜんっっぜん51歳じゃないですよ。若いですっっ ! それにしても、セクシーな人ですねえ。

石橋蓮司は、目ぢからと姿勢の良さが魅力です。居酒屋でうたたねしてる時も姿勢が良いんだから !
(トークショーも是非読んでくださいませ)
『竜馬暗殺』同様、原田芳雄とのコンビは抜群に良いですね。

田中邦衛がまたサイコー ! いやあ、爆笑させていただきました~。
言いたくてたまらん気持ちを抑えて、ネタバレしないでおきます。
この娘が杉田かおるで、ちと方言が不自然な気はしましたが、役が合っているので良しとするか。

樋口可南子が実に美しいですっっ !

そして勝新 !
原田芳雄トークショーによれば、「自分の映画人生の中ではじめての脇役だ」と言っていたそうですが、いやはや、これって主役の1人と言っても良いんじゃないでしょか。
めちゃめちゃ良かったですよ ! ラストも美味しい所持っていきますし。
勝新は流石に光ってました。
長門裕之のつくる、うどんを食うシーンなんて、良かったよ~。

そうそう、琵琶法師の役で天本英世さんも出てました。

これだけの役者たちを、何故こんなにピッタシに使えるのでしょうか。誰をとっても、すんごい適役だし。やはり黒木監督、タダ者じゃありません。

ラストの120人斬りは圧巻 ! かっちょい~。
ちと『キル・ビル』思い出したりしました。タランティーノはこれは観ているのかしらん。

この作品の秘話は石橋蓮司トークショー原田芳雄トークショーの所を是非見てくださいね。

ココにこの映画のつくられたいきさつなど出てます。勝手にリンク、すみましぇん。

 

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黒木和雄『スリ』 2006.9.6

私、ちょっと前に『どうぶつたちのレクイエム』の感想を書き、東京湾大華火祭に行って、月島でもんじゃを食べるはずが、まずいハンバーグ食って心残り・・・ってな出来事があった訳ですが、なんつータイムリーな ! とびっくらこいたのですが、この映画に保健所が出てくるんです。
原田芳雄演ずるスリが面倒見て (そして、逆に面倒見てもらう訳だが…) スリの技術を仕込まれたレイが働いている所が保健所なのです。
そして、もんじゃ屋まで出てきたじゃああーりませんかっっ。
レイとカレシがもんじゃ焼いてて、めんたいこを「お前が食え」と押し付けあってるうちに焦がしてしまふとゆー。
一方、石橋蓮司演じる刑事と、原田演じるスリが、カウンターでしゃべるんです。
(この2つが同じシーンだったかが、記憶に自信ナシなのですが…とりあえずもんじゃ屋はバッチシ出てきました。店の名前もチェックしたぜ。 )







こんなページを見つけちゃいました~「スリ」黒木和雄監督・原田芳雄さんインタビュー  *スンマセン、リンク切れてすね。残念(;_;)

ここに、日本の現実のしんどさ、生きていくこと困難さをスリという姿を通して描いたわけで、じつはそれはサラリーマンの姿でもあり、職人の世界でもあるわけです。

との監督の発言が出ていますが、これは観ていて感じました。
アル中で落ちぶれたスリ海藤を、さびしく思い暖かい目で見守る刑事。その苦しむ姿は、まさに人生。
実際盗られたら、たまったもんじゃないですが、酒絶ちをして現役復帰を目指すスリを、つい応援してしまいます。犯罪者と言うより職人とゆー感じ。
そして、実際に、スリとは生涯現役なのだとか。
なので、スリか元スリを取材したいと思っても、どうしても無理だったそうです。スリの技を伝授する場面は実におもしろいのですが、あれはマジシャンに教わったのだとか。

若者の姿も、すんごい自然で違和感なく、驚きました。
黒木監督作品は、私ユーモアのセンスが大好きなのですが、これも所々笑わせてもらえます。
それだけでなく、私はよく、この監督は人の痛みにとても敏感なのだと感じるのですが、この作品でも、断酒会のリーダー風吹ジュンや、女にふられる断酒会会員、保健所でレイと一緒に働く男性などなど、それぞれの心の痛みがすごく伝わってくるんです。(香川照之がすんごい良かった ! )
*ちとネタバレ↓↓↓


酔っぱらった風吹ジュンが、「かいどおおおお」「なんでいないのよおおお」と泣きじゃくった後、「海藤はここだ」との声を聞いた時の嬉しそうな彼女、すんごいかわいかった !

ただ、レイの兄に、何故こんな目に合わされるかは、最後まで謎でした。ここはちとスッキリしない所でありました。
真野きりなと柏原収史の演技も抜群に良かったです。



*上に書いたもんじゃ屋に関しては、是非こちら をご覧くださいませ。



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原田芳雄トークショー@8/25新文芸坐 その2 2006.9.5

『竜馬暗殺』の終盤のシーン、台本は「坂本竜馬と中岡慎太郎が昔話を語る」みたいないいかげんなものだったらしく、撮影時、原田はしばらーーーく黙っていたそうです。(ほとんど嫌がらせ、と自分でおっしゃってました(爆)) そして黒木監督はじ~っと待つんです。
そして斬新な障子をバシッと破るシーンが出来たとゆー訳で。(後藤助監督は、これでOK出なかったら、障子どーすんだ?とひやひやだったそうです。)
この撮影、夕方6時~夜中の0時までかかったそうですぜ。
『竜馬暗殺』の撮影全体が、オールセッション大会のようだったって ! これまた素敵な事おっしゃるじゃありませんかっっ。
『竜馬暗殺』の感想こちらにUPしてます。



そして、黒木監督と言えば「戦争三部作」がある訳ですが、まずはキリシマ。これがなきゃ始まらないみたいな感じだったそうです。監督の自伝映画のようなものですからね。
(『美しい夏キリシマ』の感想こちらにUPしてます。)
これを撮ってからの監督は凄かったそうです。鬼気迫るものがあったとか。映画を見てもわかりますよね。(三部作の中でTOMORROWは観てないのですが…こちらの方が制作年は早いです。)



『父と暮せば』の出演依頼は、夜10時頃にピンポーンって来たそうです。
んで「『父と暮せば』やるから、出てください」って。「はい、台本コレ」って置いていって・・・。
「承諾してくれないなら、この後小田急線に飛び込むから」ってニッコリ笑って監督は言い、「じゃあぼく、背中押します」って原田が言ったとか。(笑)
(『父と暮せば』の感想こちらこちらにUPしてます。)





原田氏は、黒木監督のプロデューサー的感覚がすごいとおっしゃってました。
そして、キャスティングがほんっっとに見事ですよね。
監督、スタッフ、俳優と、長年の信頼感がとても強く、でも馴れ合いにはならずに、常に新しい緊張感があったと、助監督を努めていた後藤監督がおっしゃってました。
まだまだつくりたかった映画が沢山おありだったのではないでしょうか。訃報は実に残念な事でした。

30分という短い時間が恨めしい、何時間でも、終電がなくなろうと、聞いていたかったトークショーでした。



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原田芳雄トークショー@8/25新文芸坐 その1 2006.9.4

8月25日、新文芸坐の黒木和雄追悼上映で、18時から原田芳雄&黒木和雄監督の助監督を努めていた後藤幸一監督のトークショーがありました。
またまた蒙古タンメン中本で冷やし味噌ラーメン定食を食べてから新文芸坐へ。
着いたのは18時5分前でして、切符切りのおねーさんが「トークショーは立ち見です」と言っていました。んで、ズラッと並んでいる列に並んだ訳ですが、昼間の上映が混んでいた為遅れ、8分遅れスタートとなりました。
まあ、混むかなあ、と覚悟はしてましたが、やはりでしたね。しかし、トークショーは立ち見でも映画を座って観られれば良いかなーと思っていたんです。
でも後ろの方だとあまり見えないから、前の方で見たいなーと思っていたら、ぬわんと、前から4列目の右端から2番目の席が1つ空いておりました ! いやあ、ラッキー♪
原田芳雄さんは、こちらを向いた形で座り、バッチシ素敵なお姿を拝見出来ました !
なんつーカッコイイ人なんでしょう ! 映像で見るより若い感じ。と言うか、映画見ても、10年前ぐらいより若くないっすか?見とれてしまいました~。ああ惚れてしまふ。
年をとるごとに素敵になっていく方ですよね。

まず最初の御挨拶で、「監督があちらの世界に行ってしまいましたが、いまだ受け止めきれていない」とおっしゃっていました。黒木監督が亡くなった寂しさが伝わってきました。
初期の数点を抜かせば、ほとんど全部の作品に出演してますからね。ほんとにショックだったろう、と思います。

この日上映の『浪人街』は、昭和3年に当時20才 ! のマキノ雅広監督によって発表されており、残念な事に一部しか現存していないそうです。
監督も若ければ役者も20代。そして、原田芳雄は黒木監督の『浪人街』に出た時は51才だったそうです。撮影前は、だいじょぶかー?浪人街じゃなくて老人街になっちまうんじゃないか、なんて冗談が飛んでたとか。(笑)
「あの年でよく出来たなあ」とおっしゃってました。午前中50人斬って、午後また50人ですから。
勝新太郎は「自分の映画人生の中ではじめての脇役だ」と言っていたそうです。(後に映画の感想UPしますが、勝新抜群に良かったですぜ)

長くなったので、2回に分けますね。

  

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黒木和雄『とべない沈黙』 2006.8.31

これ、前から観たいと思っていた映画なのですが、うーーー、私にはわかりましぇんでした。ヌーヴェルヴァーグ的訳のわからなさ。
実は頻繁に襲ってくる眠気との戦いでした。がんばったよーー。(仕事帰りはたいていそうなのですが…) 最後の方でちょびっとだけうとうとしてしまいました。

ナガサキアゲハのドアップが序盤に出てきますが、これが実に美しいです。
そして、蝶の化身である加賀まりこが、すんごいかわいい !

ナガサキアゲハを捕まえた少年、加賀まりこ、長門裕之、渡辺文雄などが、うまい具合に関連性を持たせるのかな?と思ったのですが、そういう事もなく、蝶の幼虫が彼等にくっついて旅をします。

田中邦衛がちょい役で出てきますが、ココで田村正和について書いたのと、全く同じ感想を持ちました。
田中邦衛が若いっ! そんでもって、しゃべりかた今と同じ!
口のとんがらせ方も全く同じですっっ !

被爆者である加賀まりこが、車のヘッドライトに怯えて叫ぶシーンがありますが、『父と暮せば』での原田芳雄のセリフ、「太陽2コ分の光と熱」を思い出しました。
黒木監督は、処女作からずっと、原爆の恐ろしさを訴えていたんですね。

 

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吉乃黄櫻

Author:吉乃黄櫻
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。アジアン雑貨・ファッションやパワーストーンも好き。西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!
身体にも環境にも良いエコ・石けん生活実施中&広めていきたいです。
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