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シュヴァンクマイエル『アリス』 2006.12.13

「シネフィル・イマジカ」『シュヴァンクマイエルの不思議な世界』に続いて放映された『アリス』です。

これ、すごく観たかったので、シネフィル・イマジカ様様ですっっ!うれしいです!
シュヴァンクマイエル作品を観ると、人形の目玉ってこんなにもグロテスクなものなのか!と思うのですが、ウサギがグロくも可笑しいです。目玉が怖いんですよ~。歯をカタカタさせる所が笑えます。
口では「遅れる遅れる」と言いながら、ぜんぜん急いでない所も可笑しいです。そんな事やってる場合かよ、と。(笑)
このウサギのグロさというのは、とってもシュヴァンクマイエルらしい所だと思うのですが、意外だったのは、アリスがフツーにかわいかった所です。だって『オテサーネク』とか思い出すとさ。

軽いネタバレしますが・・・


人間のアリスが、小さくなったら人形なのに爆笑!
その人形アニメが実に見事です。動きがすんごい良いです。
帽子屋や三月兎もシュヴァンクマイエルにかかれば自由自在ですね。
トランプの女王と王様、やさしい感じの顔の王様の表情がびみょーに変わる所が巧い!
そして、目が覚めれば、アリスの冒険は、アリスの部屋に散らばっている物たちだったんですね。
アリス・イン・ワンダーランドは、ドリームランドでありました。
今度、1度観た『オテサーネク』と『ファウスト』やってくんないかなー。

本もあるんですね!ほしいかも~

 



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シュヴァンクマイエルの不思議な世界 2006.12.7

『自然の歴史(組曲)』『部屋』『地下室の怪』『陥し穴と振り子』『男のゲーム』『闇・光・闇』『対話の可能性』(「永遠の対話」「情熱的な対話」「不毛な対話」の3部構成。)

詳しくはこちらを。

CATVのお気に入りチャンネル「シネフィル・イマジカ」で、先月、シュヴァンクマイエル特集をドーーンと放映してくれました~♪
シュヴァンクマイエルの短篇集です。
シュヴァンクマイエルは新文芸坐のオールナイトと、神奈川近代美術館の「GAUDIA シュヴァンクマイエル展」で結構観ているのですが、最初の『自然の歴史』と最後の『対話の可能性』以外は、ほとんど観てなかった (と思う) ので、嬉しかったです♪
新文芸坐オールナイトと、シュヴァンクマイエル展の感想はこちらから飛んでくださいませ。

シュヴァンクマイエルのブラックユーモアは、かなりグロくて、ビックリドッキリなので、万人にお薦め出来るものではありませんが、うわー、ぎゃあ、なんと残酷な・・・と思いながらも爆笑してしまう、この不思議な世界!
その残酷性と言うのは、人間なら誰しも持っている物であり、それをユーモアたっぷりに暴き出しているのです。
そして、悪趣味ギリギリと言うか、もろ悪趣味と言えちゃうかもしれない芸術性は、現存している監督の中でもほんっっとに貴重な天才的なものだと思います。

『自然の歴史』は、地球の生き物の歴史そのものであり、生物学者的な才能も感じさせられ、天才的なものを強く感じる作品です。
御存じポー原作の『陥し穴と振り子』は、ほんとにハラハラドキドキさせられちゃいます。
次の『男のゲーム』の残虐性が凄いです。粘土だとわかっていても、うわあっ、うげっ、ぎゃあ!って感じでして、これでもかっつー残虐性に、ビックリしながらも爆笑!次の『闇・光・闇』も同じく。
『対話の可能性』の「永遠の対話」、有名なアルチンボルトの絵が、シュヴァンクマイエルにかかるとこうなるのか!と。パロディーも抜群に巧いです。
ラストの『対話の可能性』内の「不毛な対話」、不毛な対話とは、鉛筆削りで歯ブラシを削ったり、靴にバターを塗ったり、パンに靴クリームを塗ったり、叉は鉛筆削り同士で削り合ったりするものだと、ホントにそうだなあ、と感心しきりでした。世の中これが実に多いのでありまして。
凸と凹がうまく噛み合ってこそ、対話や人と人との関係が成り立つんですね。



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ヤン・シュヴァンクマイエル『オテサーネク 妄想の子供』 2005.8.23

●オテサーネク 妄想の子供●
これ、こわいっす。すげーコワイ。
ジャンルで言えばホラーに入るかと思うんですが、ホラーより怖いっす。
チェコの民話が元になってるのですが、おとぎ話とゆーのは、こうも怖いものなのか、と、思いますですよ。
眠気もフッ飛んだですよ。
脳味噌フッ飛び内臓ぐちょぐちょ流血スプラッターなのとも、心理的じわじわなのとも違う、異質な怖さ。エッ、ウソダロ・・・と絶句してしまいます。
これ127分もあるんですね。ぜんっっぜん長さを感じなかったので、もっと短いと思いました。
木の化け物も恐いが、奥さんの狂気ぶりがまた恐い。ダンナはアイフルのCMのオッサンに似てる~とか思っちゃいました。
ジャケットにある、女の子が目玉焼きすする所、『家族ゲーム』の伊丹十三思い出しちゃいました。



もう、ただただ怖いとしか言いようがないんですが、これが一番良かったです。
ココに書いた悪夢は、あきらかにこの映画のせいだと思います。インパクト強すぎっっ !

シュヴァンクマイエルは食べるシーンがいつも印象的です。そして、食事マズソー。(笑)
アップの撮り方が独特でした。
結構グロいっす。そこがいーんですけど。苦手な人は苦手でしょう。

隣に座ってた女性2人組が、「チェコでこういうアーティストなんて、めずらしいねー」なんて話してましたが、チッチッチッ、わかってないねー。チェコだからこそ、こういうスゴイ鬼才が生まれるんじゃないっすか。
それにマリオネットの国なんですぜ、あーた。
こちらからプラハ滞在の所に是非飛んでみてくださいませ。こーゆー国なんですから。

そうそう、医者が「服を脱いで」て言うシーンがあったですよ。これって『存在の耐えられない軽さ』ですよね !

大大大満足のオールナイト上映でした。

 

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ヤン・シュヴァンクマイエル『短編』 2005.8.22

コレコレに引き続き、新文芸坐のヤン・シュヴァンクマイエルナイトです。

●短編Aプログラム●
『J.S.バッハ─G線上の幻想』『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』『家での静かな一週間』『庭園』『オトラントの城』『ジャバウォッキー』

この中では、『庭園』がいちばん笑えました。ちとゴダールチックな笑いかも。人間垣根なんて、なんつー発想 ! 驚きつつ爆笑です。ってか、客おとなしくて、全部を通して誰も笑い声をあげる人はいなかったんですが…私も声は出さずとも、肩ふるえました~。
『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』もえがったのう。結構暴力的ではありますが、そこが笑えます~。ま、人形なのでね。

●短編Bプログラム●
『棺の家』『コストニツェ』『エトセトラ』『アッシャー家の崩壊』『レオナルドの日記』『ドン・ファン』

この中では、とにかく『コストニツェ』が凄いです。
15世紀のクトナ・ホラの戦いの死者の骨をはじめ数万人の人骨を収集し、オルリークのシュワルツェンベルク侯爵によって完成された納骨堂のドキュメンタリーだそうです。
骨の数もスゴイですが、すんごい巨大なオブジェになっていて、物凄い芸術作品になってるのです。グロいとは思えず、もうこれは「美しい ! ! 」とハッキリ言ってしまいましょう ! !
いやー圧倒されました。素晴らしい。実物観てみたいっす。
ガイドさんが、触ると何コロナだか罰金だとしつこく言ってるのが可笑しかったです。落書きを3時間かかって消しただの、油性ペンが書かれると消えないだの・・・繰り返し言ってんの !

時間も時間ってのもありまして、『アッシャー家の崩壊』あたりから、すんごい眠気が襲ってきて、うつらうつらしてしまいました。ポーだから、結構楽しみにしてたんですが…『ドン・ファン』の時はまぢ辛かったです。これはちと退屈だったなー。マリオネットを使ってるのはチェコっぽくていいんですが。

短編は、同じチェコ人のカフカの短篇集の映像バージョンみたいな感じもしました。


  

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ヤン・シュヴァンクマイエル『悦楽共犯者』 2005.8.21

コレのつづきですが・・・あれから寝たら、悪夢見たですよ。
何だったかが虫か何かに変化して襲って来るって感じだったと思うんですが、逃げているのが、私と誰なんだかもう1人いまして。
最近夢事態見てない、見てるかもしれないけど覚えてないんで、すんごいめずらしいです。子供の頃見るような悪夢なんだもん。絶対映画の余韻のせいなんで、シュヴァンクマイエル恐るべしです。

●悦楽共犯者●
いやー、もう可笑しいったらありゃしないっす。笑いっぱなしの映画です。
エロ雑誌をパラパラ見てたら店員にニヤリとされ、慌てて買って釣りも貰わずに急いで去っていった男性。家に帰って箪笥の鍵を回そうとして思いとどまり…て所から笑えるんですが、性欲と言うものは、子孫を残す為に組み込まれたごく自然で当たり前なものなのに、何故にこんなに可笑しいのだろう…なんて思っていたら、こんなのぜんっっっぜん序の口で、この先がスゴイのなんのって。

人それぞれ性癖とゆーものはあると思うのですが、男女6人それぞれの快楽の追求がおもしろすぎっ !
大真面目に、すんごい労力を尽くして、大仕掛けなオナニーマシンをつくるんですよ。
例の雑誌を買ってった人は、何やら妖しいシュールな芸術作品つくってるし、このアート感覚が笑えるながらも素晴らしいのです。
雑誌を売っている人は、物凄い大仕掛けで精密な機械つくっちゃうし。
一番笑えたのは、フェザー狂のオッサン。
フェザーと、あれは指サック? みたいなのやら釘みたいのやらいっぱいくっつけてつくった道具で快感に浸っている所が、もうすんごい笑える~。
そして、この6人が、それぞれどこかで繋がっている所が上手いです。
これらが、一切のセリフなしに笑わせてくれるのです。



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吉乃黄櫻

Author:吉乃黄櫻
60~70年代のロック、サイレント~60年代あたりの映画、フランス・ロシア・ドイツなどの古典文学が好きな懐古趣味人。アジアン雑貨・ファッションやパワーストーンも好き。西武ライオンズファン。
峰不二子、デボラ・ハリー、ウエンディー・O・ウィリアムスが憧れの人!
身体にも環境にも良いエコ・石けん生活実施中&広めていきたいです。
石けんライフの薦め☆石けんシャンプー&リンスについて☆
石けんライフの薦め☆さらにこわ~いお話☆

読書の部屋もヨロピク!

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